ざきの学習帳(旧 zackey推し )

日々の学びを書きます

効率だけを求めすぎるとチームが崩壊するかも / 「ザッソウ 結果を出すチームの習慣」を読んだ

「ザッソウ 結果を出すチームの習慣」を読んだ。「ザッソウ」とは「雑談+相談」の略語のこと。

本書は効率化を求めたチームで起こりうる、

  • 成果主義でチームの雰囲気がギスギスしている
  • 仕事の進め方を見つめ直し・気づき・改善する機会が減った
  • アイディアが出ず、新しいことに挑戦できていない
  • etc...

といった状況から「ザッソウ」を取り入れたことによって、どのように改善していった経緯や効能が説明されている。また、社内に限らず顧客等の社外の人への「ザッソウ」の活用方法が書かれている。

著者であるソニックガーデン代表取締役倉貫 義人氏は、本書のサブタイトルである「ホウレンソウに代わるザッソウ」というアイディアも社内の雑談で生まれたとのこと。

SpeakerDeckで本書の概要が公開されている。どんな内容なのか興味がある方は一読をおすすめする。


本書に触れる

個人的に気になったポイントを書いていく。

目次

  • はじめに
    • 良いチームの条件は、気軽に雑談と相談ができること
    • 「ザッソウ」の文化を広げて働きやすい社会をつくる
  • 第1部 「効率化」だけでは成果は上がらない
    1. ひたすら効率化だけを求めた組織の末路
    2. これからの仕事に求められるのは「創造性」
    3. 生産性と創造性には「心理的安全性」が必要だ
    4. 「ホウレンソウ」に足りないコミュニケーション
    5. 雑談+相談=「ザッソウ」でいこう!
  • 第2部 「ザッソウ」でチームの成果は上がる
    1. なぜ、今「ザッソウ」が求められているのか
    2. 成果を上げる「ザッソウ」の使い方
    3. 「ザッソウ」がチームに及ぼす6つの効果
    4. 働きがいと働きやすさを高める「ザッソウ」
  • 第3部 「ザッソウ」しやすい職場のつくり方
    1. 「ザッソウ」できる職場へのプロセス
    2. 「ザッソウ」が生まれやすい環境のつくり方
    3. 「ザッソウ」しやすい心理的安全性の高め方
    4. 「ザッソウ」できる職場をつくるリーダーの姿勢
    5. 「ザッソウ」で考えるコミュニケーション術
  • 第4部 チームと人を変えていく「ザッソウ」
    1. 「ザッソウ」がチームに果たす役割と本質
    2. 「ザッソウ」できる職場にはゆとりがある
    3. チームの境界を越えていく「ザッソウ」
    4. 「ザッソウ」で組織は変わり、人を変えていく
    5. 「ザッソウ」あふれるチームで働く人を幸せに

再現性の低い仕事が主流になってきた

第2部 なぜ、今「ザッソウ」が求められているのか - なぜ、今「ザッソウ」が求められているのかでは、昨今における仕事の環境変化。その変化には「ザッソウ」が有効と学べた。

特に印象的だったのは、再現性の低い仕事についてだった。エンジニアやデザイナーのような開発系の職種だけでなく、他の職種でも再現性の低い仕事が多くなってきた(単純作業が減ってきた)。仕事や職種の成果を出すのに「ザッソウ」は有効という話の内容。

エンジニアやデザイナーのような開発系の職種だけでなく、他の職種でも再現性の低い仕事が多くなってきた(単純作業が減ってきた)。

は、読んでいて自分もそう感じた。

人事だったら、会社の状況に応じて採用計画や他社との差別化を図るためのアプローチ検討。また、従業員ごとに変わるキャリアパス設計など創造性に富んだ再現性の低い仕事に取り組まれている。

「ザッソウ」は、ほぼ全職種に適用できるんじゃないかと解釈した。

仮想オフィス環境

第3部 「ザッソウ」しやすい職場のつくり方では、実際に「ザッソウ」を導入する土台づくりや手法が書かれている。

「ザッソウ」するためのベース、心理的安全性を高めるポイント。また、誰が何をしているかの状況がわかり、気軽に「ザッソウ」するを促進する場が必要と学べた。

また、リモートワークで「ザッソウ」を促進するための方法として、仮想オフィスが紹介されている。


確かに、顔が見えない(様子が伺えない)場合、相手が忙しかったら / 休み中(退席中)だったらという考えがよぎり、「ザッソウ」の機会が失われるケースは考えられる。

なんのツールでコミュニケーションを取るかではなく、どうやってみんなが集まる場を作るかが、「ザッソウ」を促進させるポイントと解釈した。

まとめ

あとがき的なやつ。

本書にたどり着いた背景

過去の職場、現職でも同じような状況を体験・改善したいという気持ちがあり、本書の購入を決めた。

また、現職で原則リモートワークとなっており、

  • 普段の雑談がSlack分報で行われる
  • zoom等を使ったビデオ会議の傍聴・チャット参加

により、一部のチーム内・部署間の壁が薄くなり、以下のような効果が現れてきた。

  • 報告(〜でやります、でお願いします)ではなく、雑な相談(〜ということに困っていて、やりたくて)が多くなってきた
    • 雑な相談により、真に解決したい問題を発見する速度が向上した

これらの良い効果を他チーム・部署へ広めるため、ヒントを探していたら本書に行き当たった。

本書から学んだこと

印象的なことを3つ。

  • 心理的安全性を高めることために必要なポイント、効能
  • ただの雑談とならないよう、フェーズ決めをすること
  • コミュニケーションツールで悩むのではなく、「ザッソウ」する場をどう作るかがポイント

実践したいこと

現職で実践することを3つ。

  • 「仕事上、話したいことを言いたいタイミングで話せているか?」の問いとそれが言える事による効能を伝える(問題の共感と改善意識の高まり)
  • 上記を話すには心理的安全性が必要な理由、心理的安全性を高める9つのポイントを伝える(改善に必要なこと)
  • 改善策の相談(改善策のアイディアを得るため、自分が「ザッソウ」する)